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食品・飲料業界におけるM&A

1.食品・飲料業界におけるM&Aの概要:
・ヨーロッパの一般的なM&Aにつきましては、過去3年間増加傾向にあり、2018年及び2019年はさらに活発になると予想されております。
・国内市場の低迷に伴い成長を模索している企業は、海外市場に目を向けており、新規参入を加速する手段として企業買収を検討しております。
・ヨーロッパにおけるクロスボーダーM&Aの割合は、35%前後を推移しております。
・依然として戦略的企業買収が優勢の状況であり、ファイナンシャルバイヤーによる企業買収の割合は14%前後で推移しております。
・ヨーロッパの飲料セクターにおけるM&Aでは、収益の見込める将来性のある分野として認知されており、一般的な相場より比較的高いEBITDA倍率で取引されている現状でございます。
・ヨーロッパではフランスが最も積極的なバイヤーであり、国内案件がメインとなっておりまして、積極的なその他バイヤーは、英国、スペイン、ドイツ、ロシア、オランダ等です。
・全般的に各セクターにおけるM&A市場は成長しており、競争が激しい状態が続いております。そして、規模の経済による恩恵を受ける為にも、更なる企業統合が予想されております。
2.食品・飲料業界におけるM&Aの情勢:
・食品・飲料業界において、ストラテジックバイヤーが主に牽引しており、過去12ヶ月間における総取引量の92%が戦略的M&Aとなっております。
・消費者が企業ブランドを以前ほど重視しなくなり、近年ではナチュラル/オーガニック商品の人気が高く、大企業は企業買収を通じ競争力の維持を図っております。
・オーガニック食品・飲料の需要は今後減速していく様子はいまだ見られず、そのため業界では小規模企業の新規設立が目立ちますが、既存の大企業がローカル小規模企業のブランドやナチュラル/オーガニック食品・飲料を使用した認知度の向上を試みており、現在進行中の業界の統合は続くとみられています。
・今後、伝統のある老舗企業の戦略的M&Aが進み、ナチュラル/オーガニック商品などの最新の消費者動向を活用した企業成長が見込まれております。
3.飲料業界におけるM&A一例:
・家族経営のリンゴ酒製造企業ASPALL CYDER(英国)の買収は、米国のMOLSON COORSが4,000万ポンドで締結しました。
・ロンドンを拠点とする醸造所FULLER‘Sは、DARK STAR BREWING COMPANYを買収することで、クラフトビール市場での地位を強固なものとしました。
・DIAGEOは、ドイツの「黒い森」と呼ばれるシュヴァルツヴァルト地方の高級食前酒製造企業BELSAZAR GMBHを買収しました。近年、アルコール度数の低いカクテルは需要の高まりをみせており、BELSAZARの買収によって食前酒セクターにおけるDIAGEOの存在感が増すことになるでしょう。
・HALEWOODはスパイスラムのブランドDEAD MAN‘S FINGERS、更にMARTIN MILLER’S GINのオーナーであるREFORMED SPIRITS COMPANY LTDの45%株式を取得したDIEGO ZAMORAをも買収しました。
・AB INBEVがクラフトビール醸造所CAMDEN TOWN BREWERYを8,500万ポンドで買収し、 JACK DANIELSはアイルランド・ウイスキー市場へ投資いたしました。
・CALEDONIA INVESTMENTSが、英国ジャージー島を拠点とする醸造所THE LIBERATION GROUPを1億1800万ポンドで買収しました。CALEDONIA INVESTMENTSは、既存の不動産への投資および追加取得のために4,000万ポンドの資金をさらに出資する予定です。
・PRIME ACTIVE CAPITAL(アイルランド)は、英国の飲料メーカーC7 BRANDSを非公開の金額で買収を行いました。
・ソフトドリンクブランドROCKSはSHSに買収されました。この企業買収はSHSの既存のソフトドリンク部門を補完するものとみなされております。

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